カナダロケ7日間

■1日目 福岡〜ハリファクス編

2007/06/24/SUN

飛行機に揺られて20時間、やっとトロントに到着。
とりあえず、トロントからハリファクス行きに乗り換える。
飛行機が一本遅れて、結局、到着は夜中の1時。

到着口で、オマール輸入をしている日東商事の青柳氏と
現地クリアウォーター社(カナダ最大のロブスター供給会社)の
末次氏が出迎えてくれた。
夜も遅いのに、感謝。

夜中2時、ホテルにチェックイン。
明日は朝6時に出発です。

■2日目 オマール漁〜クリアウォーター社〜家庭料理視察

2007/06/25/MON

朝6時。これから4時間かけて、州北部の町へ行く。
オマール漁船に乗り、オマール漁を営む地元の方のオマール料理を視察するため。
4時間といっても、福岡〜鹿児島ぐらいの距離がある。
けっこうな移動距離。

ようやくオマール漁船に着いて、ボートで視察。
天気はいいし、最高の気分!

カナダでは、オマール漁獲期が厳しく法律で定められていて、
年に4ヶ月ほどしかない。
脱皮後のオマールは身が詰まっていない。
カナダでは、オマールの漁獲期を脱皮時期をはずして設定することで、
身が詰まってない海老を避け、身がたっぷり詰まった海老だけを獲っている。
ちょうどこの時期(6月下旬〜7月)はオマールが旬。
ぶりぶりに太ったオマールがプロの手で捕らえられていく。

オマール漁で奮闘?した後、
クリアウォーター社のドライランドパウンドの視察へ。
ここは、漁師さん達が取ってきたオマールを鮮度の良い状態で保つ施設。
150万尾のオマールのホテルみたいなもの。
大・中・小の海老に分けられるのだが、顕微鏡で水質検査をしながらの徹底ぶり。

クリアウォーター社はカナダ最大のロブスター供給会社で、
ここのオマールが日本の日東商事さんを通じてアトリエオキへやってくる。
お店で使うオマールだけに、徹底された管理を見てここの海老のよさを再確認。
さすがはクリアウォーター社、俺の信頼できるエージェント。

つづいて、
オマール海老で生計を立ててる社長のご自宅でオマールの家庭料理を視察。
結局、丸ごと湯がいて裁いただけのカンタンクッキング。
しかも20分間も湯でる。豪快すぎる料理に、少々カルチャーショック。

■3日目 シェフ・レイベアとコラボ

2007/06/25/MON

朝10時に出発して、向かったのは現地のスーパーマーケット。
カナダの食材は見たけど、香辛料関係が解からない。
午後から、シェフ・レイベアとコラボする予定なのだが、
その前にカナダの香辛料の基本くらいはおさえておかないと。

昼3時。
シェフ・レイベアがいる「GIO」というレストランへ。
現地のオマール料理を、自分の目で見たかった。
自分の肌で感じたかった。
3時から6時まで、ディナーのスタンバイがあるのに
こころよく厨房を貸してくれたGIOのキッチンスタッフ。
大変だったけど、貴重な経験だった。
レイベア、本当にありがとう。

■4日目 「世界で一番美しい島」のじゃがいもとムール貝

2007/06/27/WED

朝9時、ホテルを出発。
プリンスエドワード島へ向かう。
やっぱり、「世界で一番美しい島」。
俺みたいな奴が来る所じゃないかも。
ま、一応、俺も衣装はボーダーですがすがしく。
気を使った…つもり。

プリンスエドワード島といえば、「赤毛のアン」が有名。
でも俺は、「赤毛のアン」とかには全く興味無いし、
やっぱり、生産者に興味がある。
しょうがない。

昼1時。ゆっくりする暇もなく移動して、
たどりついたのは、じゃがいも畑。
とにかくデカイ、広大な敷地。
じゃがいもの仕分け工場に行き、
色んな話をして、色んな苦労話を聞いた。
オートメーションでやってるけど、最終的には 皆の手作業。
確かに、たかが"じゃがいも"かも知れんけど
食材の大事さを改めて思い知らされた。

昼3時、ムール貝漁船と打ち合せをして、さっそく船に乗り込む。
4〜5分で着くって言ってたけど、20分は乗ってた。

このときは、時期じゃないためムール貝は小ぶり。
夏には大きくなって美味しいムール貝になる。
ここで、水あげしたばかりのムール貝をパクリ。
生のまま食べだしたから、カナダ人の漁師さんはかなりひいていた。

夕方6時。
生牡蠣とムール貝のレストラン「flex mussels」にて現地の食べ方を視察。
この店では、生牡蠣に付けるソースが30種類以上もあるらしい。
この店のシェフにチョイスしてもらったのは、
サルサソース・レフォールソース・ペッパーソース・サワクリームなどなど。
んんん…個人的には、やっぱりレモンだけがいい。ごめん。

ムール貝の味付けも色々で、カレー味やらクリーム味。
料理談義に花が咲く。
ここでも色んなコミニケーションがとれて、いい感じ。



■5日目 試作料理と食文化コミュニケーション

2007/06/28/THU

いろいろ試したい料理の試作をするため、デイボートというレストランへ。
このレストランは地元でもかなり有名で、なにしろロケーションが良い。
湖のほとりにあるレストランって感じ。

ここのシェフもいい方で、かなり協力体制。
とりあえず、ムール貝とオマール海老を合わせて試作料理を作る。
シェフを含めて、コーディネイトマネージャー達に試食をしてもらった。

料理をしながら、
オマールの漁師さん、クリアウォーター社の方々、
ムール貝の漁師さん…食材に関わっている人たちの顔が浮かぶ。
そして、感謝の気持ちが湧いてくる。
その人たちのためにも美味しく作らんといけん!という気持ちになる。
だから、生産者と顔を合わせて話をするのが大好きだ。

そうそう、試作品は大好評。
一番感激していたのは、カナダ政府から同行してくれてるグレッグ。
この取材の初日からお世話になっているけど、
俺の料理をまともに食べたのは初めてだった。
これで、やっと「沖=シェフ」ってことが分かったかな?

午後は、ブルーベリーのファームへ。
しかし、収穫の時期が違うらしい…不発。
というわけで、その近くにここのファームのジャム屋さんに行って
ブルーベリージャムのケーキをテイスティング。
その後、日本人がオーナーのカフェでティータイム。
犬は万国共通かわいい。

夜、ワインバーで食事。
いろんなものを食べまくる。やっぱり、これが俺の仕事。
グレッグが、お店の人とのやり取りでキッチンに行く羽目に…。
いきなりだけど、地元のシェフとコミニケーション。
言葉も通じないけど、なんだかコミュニケーションがとれる。
「食」という同じテーマならそれが可能。
言葉の壁さえ自然に乗り越えてしまう、食文化の交流って、
素晴らしい。





■6日目 調理師学校を視察、最後の晩餐

2007/06/29/FRI

朝9時。
今日は調理師専門学校「Tourism and Culinary Centre」を視察。
日本でいう辻調理師専門学校みたいなモン?
分かりやすく言えば、調理師学校の東大。
インストラクターのキムさんに学校内を案内してもらう。

生徒さん達は、みんな真剣で熱心で一生懸命だ。
料理に対する熱意が、教室の雰囲気から伝わってくる。

彼らの後姿を見ながら、
俺のもとで修行をしている19歳のシズエを思い出す。
ちゃんとやってるだろうか?心配になった。
あいつをちゃんと一人前にする、再び心に誓う。

そして、夜。最後の晩餐。明日、日本に帰国する。
ずっとお世話になったグレッグともお別れ。
彼は明日の朝6時に出発する。俺らは8時。
やっぱり、グレッグとの別れは辛い。
グレッグのジョークが聞かれんのが寂しい。
いろんなエピソードが頭の中を駆け巡る。
ホテルに戻って、最後の記念撮影。


■7日目 帰国、お出迎え

2007/06/30/SAT

プリンスエドワード島から福岡へ。
24時間かけて帰る。あらためて、遠い。

福岡に着いたら、日付も変わって7月1日。
そのまま、アトリエ・オキへ車を走らせる。
アトリエに着いたら、皆がお出迎えしてくれた。
「おかえりなさい」の横断幕がちょっと恥ずかしい。
でも、みんなの気持ちがうれしかった。

■番外編 お礼とカナダメディア出演


今回カナダロケに携わった方々 
心よりお礼を申し上げます。

・カナダ大使館
・RKB毎日放送
・日東商事
・クリアウォーター社
・マッスルキング社
・GIOのキッチンスタッフ
・シェフ レイベア
・Prince George Hotel
・デイボート レストラン
・Tourism and Culinary Centre

本当に有難う御座いました。

料理人として22年間の経験の中で
お金じゃ買えない
何かを見つけれた様な気がします。

カナダの人達の心の暖かさ、豊かさ、
ジョークのセンス。
食材へのポリシーと頑固さ。
私が見習わなければいけない事
ばかりでした。

これでまた、初心に返って
食材を触らせて頂かせてもらってる事に
感謝です。

オマール海老に関しては、
高鮮度の状態で日本に輸入してる事が
当たり前の事の様に考えてた私が
無知に思えました。
本当に有難う御座いまします。

これからも一料理人として、
自分が出来る範囲の最大の力で
日本の食文化の底上げに
福岡の料理仲間と努力していきます。